【重要】コロナ禍の対策を論理的に考えてみる ④ 回復期・安定期を具体的に検討する
前回コロナ禍の時間軸の観点を説明させていただきました。
時間軸は大きく以下の観点で検討する方が良いでしょう。
- 規制期:緊急事態宣言による営業自粛要請など何らかの規制がかかる時期
- 規制緩和期:規制が緩和されるが需要の回復には至らない時期
- 回復期:コロナ禍が収束したとみなされ需要が回復しだす時期
- 安定期:需要が回復し安定しだす時期
さて今回は、それぞれの時期(フェーズ)がいつぐらいにくるか、具体的に検討してみたいと思います。
回復期や安定期はお客様の種類毎に異なる
規制期・規制緩和期・回復期・安定期にフェーズを分けたとして、例えば海外からのお客様の規制(日本への入国規制や日本への出国規制)は解除される目処がまだ立ちませんし、国内では感染拡大の懸念が大きい地域を除き5/14には緊急事態宣言が解除される見込みとなっています。
このようにお客様の種類によってフェーズが異なる可能性が高く、それぞれのお客様毎に各フェーズの時期を検討する方が現実的であると思われます。
そこで、お客様の種類を下記の通りに分類します。
- 国内ビジネス 国内のビジネス利用客
- 国内レジャー 国内のレジャー利用客
- 海外レジャー 海外からのレジャー利用客
- 団体 10室以上の団体客
- 新規マーケット コロナ禍で新規に発生したもの
お客様を共通の傾向で分類した戦略の単位をマーケティングでは「マーケットセグメント」と言います。共通の観点は各企業の自由な観点で良いのですが、コロナ禍の復旧を考える上では上記が分かり易いと思います。
マーケットセグメントとチャネルは異なる
上記マーケットセグメントで普段からの作戦を考えていたり、集計分析を行なっているホテルもあるのですが、日本国内の多くのホテルはどこから予約が入ってきたかという観点である「チャネル」で普段の作戦を考えていたり、集計分析を行なっていると思います。
マーケティングの観点からは、「特定のお客様に狙いを絞り」 → 「そのお客様に合わせた商品・価格・経路・広告宣伝を検討する(マーケティングミックス)」という流れが確立しています。
その観点から考えると予約経路はマーケティングミックスの中に含まれており、経路の観点からお客様を分類することは推奨されないことになります。
とはいえ、予約経路で考えているホテルも多いので、その関係を下図の通り整理しておきます。マーケットセグメントベースで検討した結果の読み替えなどにご利用ください。

各フェーズに対応した観点を検討する
さて、マーケットセグメント毎に各フェーズに移行するための観点(判断のポイント)があります。
例えば国内ビジネスマーケットや国内レジャーマーケットは、緊急事態宣言が解除されない限り規制緩和期に移行することはないでしょう。
そこでここでもフレームワークを活用して、各マーケットセグメントと各フェーズ毎に想定される観点をまとめたものをツールとして提供させていただきます。

〜COVID-19 フレームワーク Vol_2 回復期・安定期の検討ツール〜
各セグメント各フェースでの検討ポイントのサンプルを挙げておきます。
- 全マーケーケット:回復期
- 治療薬の普及が必須になると思われる。その時期は?
- 国内レジャー:回復期
- 国のGo Toキャンペーンの内容と実施時期
- 学校の再開時期(再開時期によっては夏休みがなくなる可能性)
- 海外レジャー:規制緩和期
- 日本への入国制限 及び 日本への出国制限
ツール内にはサンプルとして亜欧堂の見解を入れてあります。
「良いケース」「中間のケース」「悪いケース」の3パターンを考えておき、
中でも「悪いケース」をベースとして対応して良いケースになれば変更していくという対応を推奨していますので、見解は基本的に「悪いケース」を想定しています。
それぞれのフェーズに対応した具体的な戦略はまた次の機会にまとめます。
まずはそれぞれのフェーズをいつ頃とみるか、ホテル内での統一見解を持てるようにこのツールをご活用ください。
5/15 13:00現在で検討ツールは250ダウンロードとなっています。
使用感などコメントをいただければ励みになります。
よろしくお願いします。
亜欧堂 堀口
小規模ホテルで働くスタッフです。
これから融資を得るため、具体的なスケジュール等の見通しをつけるのに、とてもありがたい資料となりました。
はじめてこちらのサイトを訪れましたが、背中を押された気がして頑張れそうです。本当にありがとうございます!
大変な状況が続いておりますが、少しでも被害が小さく済むことを願っております。