レベニュー・マネジメントとは何か③ / マーケティングとの関係
2020/06/22
2020/08/24

レベニュー・マネジメントの定義は
「需要予測を基に 販売を制限する事で 利益の拡大を目指す 体系的な手法」
ですが、
今度は「自然と物が売れる仕組みを作ること」とも言える
「マーケティング」との関連を考えてみましょう。
結論を言えば、
「マーケティングで需要を増やし、
RMでホテルにとって好ましいお客様を選べるように制限する」
ということです。
マーケティングで需要を増やす
マーケティングの正式な定義はアメリカマーケティング協会が発表している物がありますが、
ここでは簡単に「自然と物が売れる仕組みを作ること」としておきます。
ホテル向けのマーケティングの基本的な流れは下図の通りです。

- ターゲティング: 特定の傾向を持つお客様を選ぶこと
- マーケティングミックス: 戦略の観点
- 商品: ターゲットに合わせた商品を作る
- 販売価格: ターゲットに合わせた価格を設定する
- 販売経路: ターゲットに合わせた経路で販売する
- 広告宣伝: ターゲットに合わせた広告宣伝を行う
マーケティングは需要を増やす上で非常に重要ですので、
改めて詳しく説明します。
ここでは
「マーケティングを適切に行うことで需要を増やせる」と理解してください。
増やした需要をRMで制限する
RMは需要が供給を超えると予測される場合に販売を制限するもので、
制限する際にホテルが大事にしているお客様を選びます。
逆にいうと、需要が十分でなければRMは効果を発揮しにくいのです。
また、RMの販売制限は基本的なマーケティングの流れと関連しています。
- ターゲティング: 団体など特定のお客様の予約を制限する
- マーケティングミックス:
- 商品: 低単価の商品の販売を制限する
- 販売価格: 価格を需要に合わせて調整する
- 販売経路: 手数料の高い販売経路を制限する
- 広告宣伝:
ホテルのマーケティングは機能していない
つまり収益を拡大しようとすれば、
- マーケティングで需要を増やす
- レベニュー・マネジメントで販売を制限する
というプロセスが必要ということになります。
グローバルチェーンであれば、
マーケティングとレベニューはそれぞれ別に担当者が割り当てられますが、
残念ながら国内のホテルではマーケティングの機能が弱わいことが多いようです。
マーケティング部門を名乗っていても広報に特化していることもしばしばです。
そこで亜欧堂ではマーケティングの機能の一部をRMのトレーニングに含めています。
同様の取り組みは他のホテルでも必要でしょう。
まとめ
収益を拡大するには
- マーケティングで需要を増やす
- レベニュー・マネジメントで販売を制限する
というプロセスが必要。
2020年6月のコロナ禍を受けて需要がなくなっている状況では、RMによる価格調整よりマーケティングによる安全安心の訴求で需要をなるべく戻すことが重要かつ最優先ということになります。