レベニュー・マネジメントとは何か② / 価格変動の考え方

レベニュー・マネジメントの定義は

需要予測を基に 販売を制限する事で 利益の拡大を目指す 体系的な手法

であり、

販売制限の手法として一般的に広く普及しているのが「価格変動」です。

何故価格を変えて販売するのか

RMの考え方の背景になっている需要曲線

まず最初に触れておくべきなのは「需要曲線」という経済学の初歩の理論です。

これによれば、
価格を上げると需要は減り、
価格を下げると需要は増える、
とされています。

つまり、需要はある程度価格で操作できると考えられている訳です。

一方で、宿泊需要は単体ホテルの価格よりはイベントや暦(連休など)によって大きく左右されます。

そこで、

(イベントなどで)需要が高いと予測される場合は
 → 価格を上げて自ホテルへの需要を抑える
 → 結果として販売できる客室数は同じで客室平均単価(ADR)が上がり
増収となる

という作戦がとられます。

反対に、需要が低いと予測される場合は、
下図のように価格を下げることである程度需要を増やすことができます。

需要が最も強い日に販売する最も高い価格=正規料金であり、
需要に応じて価格を下げる(≒割引をする)ことで需要を増やそうとしているのです。

つまり、RMによって価格を変動させる最大の目的は

価格を変動させることで一定の供給数に需要を合わせようとしている

と表現することができます。

時系列での価格変動は補足的な手段

さて、上で触れた価格変動は「宿泊日」に対してのものです。

一方で業界に広まっている「予約日で価格を変動させることがRMである」といいう考え方は、上記に基づくとあくまで補足的な手段であって、本質的な意味ではないと言えます。

コントロールレベル1は論外で、
まだ時系列で料金を上げていくコントロールレベル2の方が良いのですが、
(そして広く行われているのは2の方法)
これでは早い時期に安くなりすぎているとも考えられ、
ADRが低くなりやすいというデメリットがあるのです。

逆に、宿泊日直前で価格を下げるのも良くありません。

訪日外国人旅行客や国内レジャー客など、
一部屋あたりの利用人数が多いのでADRが高めになるお客様の予約時期は早く、
直前に値下げする=早い時期は高く販売することで、
こういったお客様の予約が入りにくくなってしまいます。

また、
同じ国内レジャー客や国内ビジネス客であっても、
早めに予約する人は価格に敏感である程度日程の調整が可能、
直前に予約する人は日程の方が優先で価格はある程度受け入れられる、
そういう傾向もあります。

つまり、直前で値下げすることは販売機会のロスを起こしているのです。

販売制限は価格だけではない

供給量が一定のホテル業界では需要が高いと予想される際に全ての需要を受け入れられないため、
主に価格で需要を制限しているのだと説明しましたが、
販売制限は何も価格だけではありません。

他にも「会員」「リピーター」などを優先するという方法もあり、
顧客満足度を優先させたいようなコンセプトのホテルでもRMは効果が出せると言えます。

また、
販売制限には「泊数」「人数」「商品」「経路」など細かで実務的な方法があり、
価格と併用することでさらに大きな効果を発揮させることも可能です。

まとめ

RMの販売制限で主流且つ増収効果が高いのは価格による販売制限である

価格以外の販売調整もあり、併用することでさらに効果を高められる

注意

価格を下げれば下げるほど需要が増えるというものではない点にご注意ください。

需要の最大の変動要素は景気動向やイベントなど外的要素であることが多く、
値下げによって喚起される需要はある程度限定的です。

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