2020年時点でAIレベニュー・マネジメントシステムが対応できるファンクションの範囲

先日レベニュー・マネジメント(RM)の業務をロールとファンクションという考え方から整理させていただき、増収を図るという目的から考えると実際のレベニュー・マネージャーが関わるべき業務の範囲は相当に広いということがご理解頂けたのではないかと思います。

今回はRMのファンクション(誰がロールとして行うかは別としてRMの範囲として整理されるべき業務をRMのファンクションと呼びたいと思います)のうち、どこまでを現状の国内のAI RM Systemが対応できるかを整理してみました。

これは以下の前提によります。

  1. AI RM Systemは複数の会社から提供されていますので、個別のシステムの評価ではなく全体感です。
  2. クライアント及びコンタクトのある国内AI RM Systemメーカーの関係者からの情報を基にしています。

RMファンクションの内AI RM Systemが対応できる範囲

RMファンクションの内AI RM Systemが対応できる範囲

上図のうちグリーンで塗りつぶされている範囲がAI RM Systemでカバーできる範囲です。

簡単にいうと

  • 高頻度のForecast 及び それに伴う価格設定はやってくれる
    • 予測
      • 一般的なレベニュー・マネージャーの許容予測誤差は30日前時点の予測で±3.0%以内だが、AI RM System の予測誤差は発表されていない
      • 旅行代理店・団体があると予測誤差が大きくなる印象がある
      • 予測のノウハウがない人がやるより100倍マシだが有能なレベニュー・マネージャーには劣る印象
      • 人力では取得が難しいイベント関係の情報をWEBから集めてくる機能はかなりよい
    • 調整
      • 予測に伴う調整は価格のみで在庫や泊数は対応していない
  • 低頻度ではあるが重要度の高い「方針検討」はほとんど対応していない
    • 料金テーブルは既存のものからAIが選択するので、料金テーブルの設計は重要
      • システム会社がある程度は料金テーブルの設定のアドバイスをしてくれるようです
    • 分析機能はかなり充実している

うまく使えば手間は減るがレベニュー・マネージャーの代わりにはまだ力不足

端的にいうと、うまく使えば手間は減るがレベニュー・マネージャーの代わりにはまだ力不足という感じです。

特に団体管理はAIでは全くうまく行く目処が立っていません。
これは団体に関するデータがPMSの中に十分に集められていなかったり(紙やエクセルで管理している人が多い)、ホテル毎に団体の定義や分類がまちまちだったりするからです。
IT系の方がよくいう「Garbage In Garbage Out」の状態になっているので、ここをなんとかしなければ解消は難しいと思います。

ただまあ、今後の技術進化によって上記の対応していないファンクションにも対応してくれると期待しています。まずは在庫管理に対応してくれるとよいのですが。

今後AIが普及していくと、単純な価格操作や在庫調整を行うだけのレベニュー・マネージャーは職を失い、
分析を基に高度な戦略を立てその戦略構築に必要な設定が行える「戦略家」としてのレベニュー・マネージャーがより重要になってくるように思います。

近い将来「レベニュー・ストラテジスト」と呼ばれる日が来るのかもしれません。

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